明日3月31日(土)は、旧暦の2月15日。如月の満月の日だ。 毎年この頃になると、思い出す“和歌”がある。
願わくは 花の下にて春死なん その如月の望月の頃 西行
有名な、西行法師が詠んだ歌だ。西行は、上皇の警備を担当する“北面の武士”として世に出る。そして23歳、若くして出家をし、漂泊の旅を続けながらあまたの歌を詠み、この歌のとおり、旧暦、2月の(如月)満月の日に、≪サクラ≫の花咲き乱れる下、72歳で亡くなったという。 昔の日本人にとって、“花”と言えば≪サクラ≫の事と決まっていた。 その≪サクラ≫は、現在よく見る≪ソメイヨシノ≫系のものではなく、≪ヤマザクラ≫系のものであったろう。 しかし、今も昔も、≪サクラ≫は、一挙に華やかに咲き、散り際は潔い。
仏教の祖、釈迦の誕生日は、4月8日。その日は“花まつり”がおこなわれるが、入滅の日は、まさにこの2月15日だ。 西行は、ただ単に、自分の好きな≪サクラ≫満開の日に死にたかっただけではなく、釈迦と同じ日に死にたかったのだ。 そして、自分は『西に行く』。つまり、お釈迦様の待つ、西方浄土に歩みを進めたいと言うことだ。 『西行』という名前を荷う、一僧侶としての願いだったのだ。
我が校の≪サクラ≫も、日当たりの良さや、個々の木々によっての差はあるが、今が“満開”の木が多い。 入学式の頃、残念ながら≪サクラ≫は、かなり散ってしまっていると思う。平成29年度の、最後の“映像”として、我が校、現在“満開”の≪サクラ≫を掲載することにした。
寺岡
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