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映像から
201895日(水)♪敵に渡すな大事なリモコン

更新日:2018/09/05 18時50分

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 JR新長田駅南側の若松公園内に、全長18mの彼は立っています。
 JR線で三宮まで出かける途中には、必ず見つけることができます。しかし、新快速に乗ると、線路二本分、北側を走るので、少し見えにくいですね。
 『鉄人28号』
 昭和9年、神戸市須磨区に生まれた漫画家、横山光輝の出世作です。
 久々に三宮に行く機会があったので、明石に帰って来る途中、新長田で降りて、撮りました。

 この漫画は、私が小さい頃、テレビアニメで見た記憶がありますが、実際のストーリーの記憶はほとんどありません。ただ、一番印象に残っているのは、主題歌です。また、リモコンで動く『鉄人28号』なのですが、悪人はこのリモコン装置の奪取を狙っていて、彼らがリモコンを手に入れ操作をした途端、これまで正義の味方だった『鉄人28号』が、悪の手先になってしまうという、とっても理不尽な場面も、印象に残っています。
 三木鶏郎作詞作曲の主題歌にある、♪ある時は正義の見方、ある時は悪魔の手先…と歌われる歌詞は、機械文明の危うさを、本当に一言で言い当てた予言だと思います。そして、とどめの決め台詞が、♪敵に渡すな大事なリモコン…というわけです。機械や道具は、使う側の気持ち一つで、どうにでも使える、という事なのです。

 “ノーベル賞”にその名を残す、アルフレット・ノーベルは、ニトログリセリンと云う爆発力は高いのですが、取扱いが驚くほど難しい(ちょっとした衝撃で爆発する)薬品を、安定した形に変え、持ち運びにも適した『ダイナマイト』を開発しました。土木工事用に大変威力を発揮し、私たちの生活の寄与したのですが、同時に戦争にも使われ、たくさんの人の命を奪う道具にもなりました。ノーベルの得た巨万の富は、どちらかと言えば、戦争に使われたために入ってきたお金だと云われています。そして、そのお金を基金として“ノーベル賞”が制定されているのです。

 私たちの周りには、大変便利な道具がたくさんあります。今や『スマホ』も、特別なものではなく、誰もが簡単に扱える道具です。しかし、この道具、一歩間違えば、自分も傷つき相手も傷つける道具、となってしまいます。
 私は、事ある毎に、保護者の皆様には「スマホやケータイ電話を子どもに与えるのは、刃物を子どもに与えるのと同じで、自分の子どもが、その道具を正しく安全に使えるか、の見極めを、慎重にお願いします。使い方によっては、これほど便利なものはなく、生活に無くてはならないものですが、使い方を誤れば、最悪の場合、自分の命も人の命も奪いかねない道具です。」と訴えて来ました。
 勿論『スマホ』だけでなく、私たちの周りには、“便利と危険”が隣り合わせになったものがたくさん存在しています。
 “危険”ばかりを気にしていると、何も前に進めない事柄も一杯あります。また、“便利”を追求しすぎると、いつの間にか、周りが“危険”だらけになっていることもありうる話です。
 この『鉄人28号』を見ると、『原子力発電と核爆弾』のこと、『宇宙開発ロケットと攻撃ミサイル』のこと等、どちらも作り出したのは、人間であることを、思ってしまいます。

 この機械や道具たちを使いこなす、大事なリモコン装置は、私たち、それぞれの心の中に…。

寺岡


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