行事

一枚の
映像から
201864日(月)

更新日:2018/06/04 10時56分

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   虞や虞や汝を如何せん    ( 『史記』 司馬遷 著 “項羽本紀”より )

 垓下の戦いで、劉邦に追い詰められた項羽が、後世『虞』という名前でしか伝えられなかった、愛する女性に対して、詠ったものだと云います。
 虞を葬った後に生え、花を咲かせた植物に、後の人々が『虞美人草』という名前を与えました。
 その『虞美人草』が、≪ヒナゲシ≫です。写真の花は、≪ヒナゲシ≫の仲間で、≪ナガミヒナゲシ≫(漢字で書くと、長実雛罌粟)です。
 どこから種子が飛んでくるのか…、いつしか我が家の庭にも、毎年この花が、数本咲いています。
 元々、“ケシの実ほどの”とか“芥子粒のような”と云うような表現は、ほとんど見えないくらい、ちっちゃなものの例えとして使われます。
 写真でも、花の咲いた後にできる“実”が写っていますが、この“実”一つひとつの中に、黒く1㎜にも満たない種子が、数百個も入っているはずです。これが風に乗ってあちらこちらに飛散していくのですから、街々のいたる所の路傍から、季節が来るとこの花が見られるという仕組みです。
 何となく儚げで、優しい花ですね。

 しかし≪ケシ≫というと、昔から麻薬の『阿片(あへん)』が採れる植物として有名です。≪ヒナゲシ≫は、まったく危険性はないのですが、本当の≪ケシ≫は、許可なく栽培することは、法律で禁じられています。実の表面に傷をつけて出てくる汁の成分は『モルヒネ』というもので、『阿片』はその汁を乾かして作るといいます。現在、医薬用としてのみ、製造されていますが、我々は、絶対に手にしてはならないものです。

寺岡


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