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2018530日(水)馬が肥える

更新日:2018/05/31 08時13分

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 江戸時代中期には、既に日本に入って来ていたと云われる、マメ科の植物≪ウマゴヤシ≫は、漢字で書くと、『馬肥』です。
 江戸時代に、どんな経路で海を渡ってきたのかは、よく分かりませんが、牧草にしたり、枯らして肥料にしたり、当時から用途は広かったと云います。小型のクローバーのような葉を持つ≪ウマゴヤシ≫は、今、我が校では黄色い花が満開です。

 ちょうど5月の連休の頃、まだ作物が植えられていない田んぼや畑に、『蓮華』が花盛りになっているのを見られた事はありませんか?
 あの『蓮華』たちは、勝手に生えているのではなく、種を蒔かれ、わざわざ植えられているのです。
 何の為?
 花の観賞用? 蜂蜜採集?
 いえいえ、昔からやっていることで、『蓮華』を植えることにより、本来その畑に植え付ける作物の“出来”が良くなるからです。

 “窒素・リン酸・カリウム”というと、植物の身体を造る三大栄養素と云われます。特に、“窒素”は、生物の身体を造る“タンパク質”の合成には、必要不可欠な元素です。植物は、“二酸化炭素”は大気中に漂うものを“気孔”から、“水”は土中に存在するものを“根”から、身体の中に取り入れますが、空気中に80%もの割合を占める“窒素”は、気体として、直接大気から身体の中に取り入れることはできません。
 そこで、細菌の力を借り、“窒素”を“アンモニア系の化合物”として形を変えさせた上で、身体に取り込んでいるのです。その仕事をする、一番身近に存在する細菌は、マメ科の植物の根の内部で生活をする『根粒バクテリア』という種類なのです。
 『蓮華』の根に生活する『根粒バクテリア』に、気体の“窒素”を、植物の身体の中に取り入ることの出来る形に変えさせ、枯らした後、肥料としてその土に混ぜ、本来植え付けるべき作物の種を蒔きます。
 顕微鏡はなく、小さく、目には見えない細菌類が発見されていない時代から、経験値だけで、『蓮華』を枯らした後の田んぼでは、稲がよく稔ることを、先人たちは知っていたのです。

 ≪ウマゴヤシ≫も、マメ科の植物ですので、当然、『蓮華』と同じように『根粒バクテリア』の働きが期待できるわけです。
 勿論、直接≪ウマゴヤシ≫を馬や牛が食料にしていく事も多かったわけで、馬が肥えていく⇒『馬肥』という名前がつきました。
 漢字で『苜蓿』と書き、『うまごやし』と読ませることもあるようですが、この字を書く植物は、正確には≪ムラサキウマゴヤシ≫と呼ばれるものだそうで、直接、西洋の名前である≪アルファルファ≫と呼ばれる植物の事です。この植物は、≪ウマゴヤシ≫とほとんど形は変わらず、花の色が、“黄色”ではなく“紫色”です。

寺岡


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