生物も、北方系と南方系があります。
専ら、北方系は小さく、南方系は大きい、とされています。これは、基礎代謝量の問題であり、北の方は気温が低く代謝をなるべく抑え気味に生きていく活動が為され、南の方(赤道に近い方)は、活発な基礎代謝を基盤に、逞しく生きていく活動が為されているからだといいます。勿論、例外は必ず存在しますが、昆虫の世界は、特にこれらのことが顕著です。
写真は≪キマダラカメムシ≫です。
我が校の、中校舎階段に張り付いていました。
このカメムシは、つい先程までは、明石には存在しなかったのです。でも今は、このカメムシだらけです。
明石の中学校理科教員で『明石の昆虫』(文化博物館刊行)という、明石公園を中心とするフィールドで、昆虫の生態写真にこだわった図鑑を作っていったのが、西暦2000年を前後に挟んだ10年ぐらいの期間でした。この図鑑には≪キマダラカメムシ≫は、載っていません。少なくとも、この時までは発見されていなかったのです。他の生物の図鑑を見ても、生息地は、九州・沖縄…となっています。
この、姿かたちは、まさに南方系です。まず体長が、この辺りで以前から居たカメムシの1.5倍位はあろうと思われます。色合いも、こげ茶色に黄色の斑点ですぞ!
温暖化の影響で、生息域が北に広がっていっているのです。
生息域を、北に広げていった昆虫としては、かつての≪クマゼミ≫がそうでした。一見≪クロアゲハ≫と見分けがつき難い≪ナガサキアゲハ≫がそうです。また最近『赤いクワガタ』と話題になった≪ヒラズゲンセイ≫もそうです。≪ヒラズゲンセイ≫などは、以前は名前が≪トサヒラズゲンセイ≫と言って、高知県にいる“珍しい虫”扱いだったのですが、いまは、名前から“トサ”が取れてしまっています。生息範囲が広がったため全国ネットに広がり、名前まで変わってしまいました。
上にあげた昆虫たちは、南の方から、どんどん生息域を北上させていっている種族です。しかしセミの世界では最近は、以前から多くいて≪クマゼミ≫に主導権を奪われていた≪アブラゼミ≫が、勢力を持ち直しているという情報もあります。
明石公園では、朝夕や、日が陰って気温の下がった時に鳴くと言われる≪ヒグラシ≫の声が、今夏聞かれました。
生物の世界は、これだから面白い。
寺岡
専ら、北方系は小さく、南方系は大きい、とされています。これは、基礎代謝量の問題であり、北の方は気温が低く代謝をなるべく抑え気味に生きていく活動が為され、南の方(赤道に近い方)は、活発な基礎代謝を基盤に、逞しく生きていく活動が為されているからだといいます。勿論、例外は必ず存在しますが、昆虫の世界は、特にこれらのことが顕著です。
写真は≪キマダラカメムシ≫です。
我が校の、中校舎階段に張り付いていました。
このカメムシは、つい先程までは、明石には存在しなかったのです。でも今は、このカメムシだらけです。
明石の中学校理科教員で『明石の昆虫』(文化博物館刊行)という、明石公園を中心とするフィールドで、昆虫の生態写真にこだわった図鑑を作っていったのが、西暦2000年を前後に挟んだ10年ぐらいの期間でした。この図鑑には≪キマダラカメムシ≫は、載っていません。少なくとも、この時までは発見されていなかったのです。他の生物の図鑑を見ても、生息地は、九州・沖縄…となっています。
この、姿かたちは、まさに南方系です。まず体長が、この辺りで以前から居たカメムシの1.5倍位はあろうと思われます。色合いも、こげ茶色に黄色の斑点ですぞ!
温暖化の影響で、生息域が北に広がっていっているのです。
生息域を、北に広げていった昆虫としては、かつての≪クマゼミ≫がそうでした。一見≪クロアゲハ≫と見分けがつき難い≪ナガサキアゲハ≫がそうです。また最近『赤いクワガタ』と話題になった≪ヒラズゲンセイ≫もそうです。≪ヒラズゲンセイ≫などは、以前は名前が≪トサヒラズゲンセイ≫と言って、高知県にいる“珍しい虫”扱いだったのですが、いまは、名前から“トサ”が取れてしまっています。生息範囲が広がったため全国ネットに広がり、名前まで変わってしまいました。
上にあげた昆虫たちは、南の方から、どんどん生息域を北上させていっている種族です。しかしセミの世界では最近は、以前から多くいて≪クマゼミ≫に主導権を奪われていた≪アブラゼミ≫が、勢力を持ち直しているという情報もあります。
明石公園では、朝夕や、日が陰って気温の下がった時に鳴くと言われる≪ヒグラシ≫の声が、今夏聞かれました。
生物の世界は、これだから面白い。
寺岡