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2017621日(水)伝える力と受け取る力

更新日:2017/06/21 09時12分

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今、世の中は、“伝える力”というものが、一つのキーワードとなっています。
 自ら発信し、伝えるべき内容を吟味し、より確実に、誰にでも分かる言葉や文章に表していく力。この力を、子どもたちに(大人たちにも)つけていこうと、“アクティヴ”やら“対話的”やら…、手段を講じているわけです。
 ここで言いたいのは、それらの“伝える為のノウハウ”を持っていれば、物事は伝わっていくのか? ということです。
 いくら立派な“伝える力”を持っていても、相手にとって理解する事の難しい手段で、コミュニケーションを取ろうとするなら、いくら伝える側が上手く伝えたつもりでも、相手方には伝わり難いのです。
 要するに、百万語の語彙があっても、伝わらん相手にゃ、伝わらんのです。
 そうなんです。こちら側の“伝える力”と、相手側の“受け取る力”が、ガッチリと噛み合った時、初めて物事は、正しく伝わっていくのではないでしょうか。

 先日のプロ野球、阪神vs楽天の最終戦。0-1、9回裏、2アウト2・3塁、阪神、一打逆転サヨナラのチャンス! ここで、楽天:松井投手は、フォークボールを投げるのです。フォークボールは、すっぽ抜けが怖い、いやそれより、指に引っかかりすぎたための“ワンバウンド→パスボール”が怖いはずです。しかし、そのフォークボールを投げ、三振に取ったのです。松井投手は凄い! と、思いました。でも、もっと凄いと思ったのは、楽天:嶋捕手です。どんなボールをお前が投げて来ようと、絶対取ってやるから思い切って投げて来い! という強い気持ちが、松井投手に伝わったのです。この、互いの意思の伝達力と受信力。そして、言葉を、一言も交わしていない中での信頼関係。言葉の力を介さない“伝える力”“受け取る力”が、ガッチリと噛み合った瞬間だと思いました。
                  (因みに私は、阪神の応援団を自認しています)

 それでは“受け取る力:受信力”とは何か?
 私は、“他者理解の力”だと、思っています。
 相手の性質や、その時々の気持ちを分かっていこうと心開くなら、画一的な方法ではなく、言い方や表現方法を変えていく工夫をすることにより、よりよく相手側に物事が伝わっていくようになってくるのではないでしょうか。
 それに、他の人との距離感も、上手く取れるようになっていくように思うのです。
 この、表裏一体になった、“伝える力”と“受け取る力”、両方を身につけなければ、真の“コミュニケーション力”が生まれてこない気がしています。
 我々が子どもたちに身につけさせたいのは、この“伝える力”と“受け取る力”を併せ持った“総合的な伝える力”なのです。

 写真は≪クロオオアリ≫です。
 蟻が、活発に活動する時期になりました。蟻という昆虫は、翅のない蜂のようなものだと思えば良い、と聞いたことがあります。どちらも、持っている“毒”は“蟻酸(ギサン)”です。
 今話題の≪ヒアリ≫に刺されることも、蜂に刺されることと同じ、と考えた方がいいようです。
 写真の蟻たちは、頭を寄せ集め、何を伝え合っているのでしょうか。左右の個体の“頭の形”が、少し違うような気がします。両者の役割が違うのかな…。かなりの正確さで、意思疎通が出来ているように思います。すごい、伝達能力(送受信力)だと、驚嘆します。

 昔、桂枝雀さんの落語の中に、
      『蟻さんが、頭をくっつけて話をしているん見ると、俺の悪口、言うてへんかと思て、心配やねん』
 という一節があったことが思い出されます。
寺岡

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