なんという姿だろう。
　ぼろぼろだ。
　身体も、小さい。
　多分、栄養も足りていないのだろう。
　アスファルトの隙間に、ほんの少しだけ土が溜まり、条件の悪い、そこからの発芽だった。

　自分に与えられた“場”で、懸命に自分の役目を果たしているのだな。
　だから、ぼろぼろな姿だけど、それを恥ずかしがるでもなく、堂々としていられるのだな。
　キリッと、一点を見つめているようだ。それも、たった孤りぼっちで。

　どんな境遇にあっても、この≪パンジー≫のように、生きてゆきたいなぁ…。
寺岡