バスを待ち大路の春をうたがはず この俳句は石田波郷(いしだはきょう)昭和8年(1933)の作。作者は大正2年(1913)松山に生まれ、上京した青春時代に東京の街中で感じた春なのでしょう。 登校する生徒の服装も白い色が多くなってきました。ブレザーを脱ぎ、春から夏の装いに移行しています。 さて、昭和8年の東京にバスは走っていたのか?調べてみると、明治の後半に京都で乗合自動車が走り始めたのが始まりだということです。その後、大正から昭和にかけてバスが普及していきました。馬車からバス、路面電車、鉄道といった交通網が整備されていったのでしょう。 地方から上京した青年にとって、目に映る東京の町、バス停、そこに暮らす人たちの息遣いがとっても新鮮なものに感じられたのではないでしょうか。 松山と言えば、正岡子規。その話は次回に……
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